サンフランシスコで慰安婦像と碑文が寄付を受け入れた事から、大阪市の吉村市長は「信頼関係は消滅した」と姉妹都市解消に向けた手続きを進めることを明らかにしました。
このまま姉妹都市が解消されると大阪市の何がどのように変わっていくのでしょうか?
そもそも姉妹都市って何なんだろうという素朴な疑問も調べました。
姉妹都市とは
親善や文化交流を目的として特別の関係を結んだ、国を異にする都市と都市。
出典 世界大百科事典 第2版
姉妹都市はこのように定義されており、文化交流や国際親善を目的に結び付いた自治体同士の関係を言います。
姉妹都市は行政・市民・企業が交流を進める為の基盤となっています。
姉妹都市と友好都市の違い
姉妹都市と同様に、友好都市という言葉も耳にしますが、どちらも中身に違いはなく、ただ呼び名が違うだけです。
元々はアメリカで「 Sister city」と呼ばれていた為、姉妹都市という直訳が使われてきましたが、姉妹というと上下関係を連想する場合もあり、友好都市という言葉も使われるようになりました。
サンフランシスコと大阪の関係は姉妹都市という言葉を使っていますが、これは60年前からの交流となるため、その頃は姉妹都市というネーミングが主流だったのかもしれません。
また相手国がアメリカ内の都市だったので、「Sister city」の直訳を尊重しているという見方もあります。
姉妹都市のメリット
出典 http://i6i6.jp/archives/44
サンフランシスコと大阪が姉妹都市として行っていた活動が姉妹都市としてのメリットそのものでしょう。
現在の主な活動
②サンフランシスコ・大阪姉妹都市協会主催高校アンバサダープログラム派遣生の受け入れ
まず1959年にサンフランシスコ・ケーブルカーが大阪市へ寄贈されました。このケーブルカーは、大阪の街中を走っていたわけではなく、大阪市内の交通科学博物館に展示・保存されていました。(現在交通科学博物館は閉館しています。)
出典http://train.ap.teacup.com/osyakatravel/221.html
その後、双方の市長と訪問団が行き来しており、その度に企業・観光誘致などのきっかけを作り、交流を深めています。
行政の後押しがあれば、民間企業がサンフランシスコ進出しやすいというメリットがありますね。
また、サンフランシスコ高校生アンバサダープログラム派遣生として毎年2名のサンフランシスコの高校生が大阪を訪れ、大阪の高校生と交流したり、日本文化に触れてもらう機会を提供しています。
テレビのニュースで「高校生の交流が…」と言われていたので、てっきり大阪市の高校生がサンフランシスコに訪問しているのかと思いきや、大阪市はサンフランシスコの学生を受け入れる側だったようです。
それでも大阪市の学生がアメリカの学生と触れ合う貴重な交流チャンスは姉妹都市のメリットと言えます。
姉妹都市のデメリット
姉妹都市を解消しても、上記にお伝えした姉妹都市としての交流内容が全て白紙にはしないと吉村市長は言っています。
サンフランシスコからの高校生派遣の受け入れや、民間交流事業の補助金は今まで通り継続する意向を示しています。
姉妹都市解消のデメリットは両市が5年ごとの節目の年に行っていた記念式典や相互訪問がなくなるということです。
大阪市の吉村市長が姉妹都市を解消するきっかけとなったのは慰安婦像という外交問題が原因です。
市民である高校生や企業が何か問題を起こしたわけではない為、行政の交流のみストップし、市民・行政の交流はこれまで通り進めたいという吉村市長の意向です。
この吉村市長の意向通りに姉妹都市解消の手続きが進めば、市民レベルでの大きなデメリットはなさそうです。
ただ、サンフランシスコのエドウィン・リー市長はどのような対応に出るかまだわかりません。
市民交流や企業の海外進出に影響が出ない事を願います。
姉妹都市解消の手続き流れは
姉妹都市を解消する手続きというのは異例で、大阪市自体も手続きを検討し進めるようです。
現在考えられている方法としては
・まずは書面でサンフランシスコ市に姉妹都市解消を通告する
↓
・一定期間に異議がなければ正式に解消
という流れを想定しています。
この一定期間をどれくらい設けるかなどは、今後慎重に議論されることになりそうです。